グルメサイト予約の自動取込で、ミスの軽減と業務時間の大幅削減を実現
館内外の系列全店舗と顧客情報を一元化、会話の糸口が増え顧客満足度を向上
テレビ露出のたびに殺到していた電話対応を電話自動応答「みせばん」で半減
神戸北野ホテルとは?
フランスで発足し、その厳格な審査条件でも名を馳せるホテル・レストランの世界的非営利会員組織「ルレ・エ・シャトー」。その輝かしい称号を2つも持つのが「神戸北野ホテル」だ。世界が認める同館の強みは、総支配人でありながら総料理長も務める巨匠・山口 浩氏の料理と経営力、そして柔軟性と先進性に満ちた組織力に他ならない。伝統と格式を保ちながら、既成概念に囚われることなく常にチャレンジを続け“先駆者”であり続ける同館が、いかにTableCheck(旧:TableSolution)を導入するに至ったのか。運営部次長を務める松井 秀樹氏に、導入前の課題から導入後に実感したメリットまでお話を伺いました。
TableCheckだけの特許機能である電話自動応答機能「みせばん」を活用するこで、予約の取りこぼしまでカバーできるようになりました
自分達の実現したいサービスが実現できない
「美食を愛でる、心豊かなひとときを過ごしていただきたい」というコンセプトのもと、当時日本では珍しい都市型オーベルジュ(宿泊施設付きレストラン)として、1992年神戸に誕生したのが神戸北野ホテルです。2つのレストランと1つのバーを持つこのホテルは、2010年11月に「ルレ・エ・シャトー・ホテルレストラン」と、総料理長である山口個人に対する「ルレ・エ・シャトー・グランシェフ」の2つの称号をいただきました。2つの称号を持つことは、アメリカ、カナダを除く環太平洋地域においてたったの一例しかない快挙だったそうです。
そんな当館が行った予約管理業務のオートメーション化は、自社ホームページ内に予約フォームを設置したのが第一段階でした。それまでは全ての予約管理がアナログで、紙の予約台帳を使い、電話での予約受付のみでした。そのため、予約フォームができると同時にすぐに反響があったのですが、想定以上に予約フォームからの申込み数が増えたことで、メールでの返信作業が業務負担になってしまったんです。
次に取り入れたのが、メール返信がいらない即時予約のグルメサイトリンクを自社ホームページに貼り付けるという手法でした。ところがここでも課題に直面しました。1つ目はグルメサイト経由の予約なのでお客様の情報が当社内に蓄積されないこと、2つ目が運用の複雑化でした。既存の、お電話でのご予約、ホームページからのメールでのお問い合わせに加え、グルメサイトからの予約も全て手書きで紙台帳に集約させなければなりませんでした。
これではいけないと台帳のデジタル化に着手し、さっそく外資系企業の電子台帳を導入しました。それにより予約管理に関しては大幅に改善されたのですが、ここで直面した課題が「顧客情報の共有」と「スペース」でした。当館以外にも系列店舗がある中で、店舗間での顧客情報共有ができない仕様だったのです。そのせいで、せっかく系列店舗を含め愛用してくださっているお客様がいらしてもそれに気付けない、それは私たちのやりたいサービスではなかったんです。もっとおもてなしをサポートしてもらえるシステムはないか?と探している時に出会ったのがTableCheckでした。
人でなければできない仕事に注力するために
TableCheck導入のメリットは、まずはグルメサイトの一元管理です。これまで全て手書きで管理してきたグルメサイト経由の予約も、わずか数クリックで自動的に台帳へ取り込まれます。ミスも軽減されますし、なにより業務時間が大幅に削減されました。もう紙には戻れませんね。そして最大のメリットが顧客情報の共有です。系列店舗間で来店履歴やアレルギーなど全ての顧客情報が共有できるので、お客様との会話の糸口がぐっと増えて顧客満足度のアップに繋っています。
その他にもTableCheckだけの特許機能である電話自動応答機能「みせばん」を活用するこで、予約の取りこぼしまでカバーできるようになりました。当初は「機械音での自動応答がお客様に冷たい印象を与えてしまうのではないか」という懸念もありましたが、電話が減ればもっと目の前のお客様に集中することができるという社内の意見で導入を決定しました。総料理長である山口は巷ではちょっとした有名人ですので、テレビ出演の当日は電話が殺到して対応しきれない状況でしたが、「みせばん」の導入後は対応件数が半減し、取りこぼし防止も実現することができました。
また、以前のシステムと違い専用端末が不要なオールデバイス対応なので、レストラン以外のスタッフでも電話対応ができるようになりました。繁忙時間帯はレストランのスタッフが接客に注力し、予約はバックオフィスで受けるという予約管理の効率化を図ることができました。さらに、蓄積した顧客情報を使い閑散期にリピーターゲストに再来店を促すメールマガジンを打つなど、蓄積した顧客情報を“店舗の資産”として活用し、プロモーションや売上獲得を実施できるのはTableCheckの大きな利点の1つです。
飲食業界では、近年人手不足が大きな課題となっています。そんな時代だからこそ、人でなければ出来ない仕事とITで解決できる仕事はしっかりと棲み分けをし、上手にITを取り入れていくことが求められていると思います。ITを活用することで現場の負担を軽減し、働きやすい職場環境を作っていかなければいけません。成長し続けるTableCheckと共に、これからも業界全体がステージアップする取り組みを先進的に取り入れていきたいと考えています。