TC Infographic
TC Infographic
データでみる飲食業界とテーブルチェック
テーブルチェックの売上高
テーブルチェックは、2011年3月11日、株式会社VESPERという社名で創業しました。2013年10月、現在のメインプロダクトである飲食店向け予約・顧客管理システムとユーザー向け飲食店検索・予約ポータルサイトをローンチして以来、国内外の飲食店のみなさまに支えられ、順調に成長を続けています。世界中の飲食店が窮地に陥ったコロナ禍の3年間においても、売上高をコロナ前の2019年度比で1.9倍にまで成長させることができました。
成長を可能にした背景として、国内市場において、飲食業界全体でオウンドメディア活用が進んだ影響が大きく働いたと考えられます。これまでのグルメサイト依存から脱却し、自社の公式ウェブ予約(=オウンドメディア)を充実させ、独自に顧客や予約データを保持し、活用しようという動きがコロナ禍で加速していきました。
電話予約 vs ネット予約
近年の飲食業界の大きな変化として、電話予約からネット予約へのシフトも注目すべきトピックです。当社のデータを分析すると、2016年に全体の予約件数に対するネット予約の割合は36%でしたが、2023年には過半数を超える56%にまで増加しています。細やかな要望を伝えられる電話予約はまだ根強く利用されていますが、飲食店、ユーザー双方において利便性の高いネット予約は幅広く受け入れられているといえるでしょう。
ネット予約のメリットとして、主に下記の6点が挙げられます。
① 24時間オンラインで即時予約が可能
② 予約受付・管理のコストを削減できる
③ 多言語対応も簡単にでき、訪日客の予約受付もスムーズに行える
④ 予約・顧客情報などのデータを自動で蓄積、瞬時に更新・共有ができる
⑤ 蓄積したデータを活用して、精度の高いマーケティングが可能になる
⑥ 自動リマインド機能など、キャンセル対策も簡単に
公式ウェブ予約 vs グルメサイト
過半数を占めるまでに利用が広がったネット予約の中でも、公式ウェブ予約の活用が近年急速に進んでいることも、私たちのデータからわかりました。グラフは、テーブルチェックをご利用中の全国の飲食店約7,000店舗*のデータを集計したものです。私たちは、飲食店の公式ウェブ予約ページを提供しているため、グラフ中の「テーブルチェック」は「公式ウェブ予約」を意味しています。
公式ウェブ予約(=テーブルチェック)経由の予約人数は、2023年3月に月間190万人を突破しました。主要なグルメサイト各社からの予約人数は横ばいもしくは微増にとどまっており、その傾向はコロナの影響が最も厳しかった2020年4月を境に顕著になっています。月額掲載料や送客手数料など、ランニングコストが膨らみがちなグルメサイトの活用から、自社の公式ウェブ予約を活用する飲食店が増加しているということがみてとれます。
*…2023年4月時点の利用店舗数
テーブルチェック経由の予約人数
前述の通りテーブルチェック経由の予約は、2023年3月に190万人/月を突破しました。
・コスト負担を軽減できる
・予約管理が簡単になる
といった飲食店側のメリットだけではなく、ユーザー側でも、リアルタイムの空席検索・即時予約ができるようになるといった高い利便性が受け入れられ、ネット予約の利用が広がっていきました。さらに、公式ウェブ予約であれば、来店や注文履歴などの顧客データが蓄積されるため、お店との信頼関係を築きやすいというメリットもあり、今後さらにオウンドメディア活用は広がっていくと予想されます。
コンタクトレス決済の年間決済総額
コロナ禍、テーブルチェックがリリースした新しいサービス「コンタクトレス決済」の利用も、この3年間で飛躍的に伸びました。コンタクトレス決済とは、ネット予約時にユーザーがクレジットカード情報を入力するだけで、当日店頭でのお会計を不要とする、飲食店向けの新たなキャッシュレス決済です。コンタクトレス決済の2022年年間決済総額は、サービス提供当初の2020年から約24倍にまで増加しました。
ローンチ当初は、接待会食やデート・記念日といったハレの日などの利用シーンの多い飲食店を中心に利用が進んでいましたが、最近では行列を解消し、顧客の安全確保、利便性向上を目的とした人気店での導入も増えています。ユーザーの満足度も高く、コンタクトレス決済を利用したユーザーの4割が、次回もコンタクトレス決済による決済を希望する、というデータもあります。
飲食店のリピーター比率
来店回数が2回目以上の来店客(=リピーター)の割合も近年増加傾向にあります。予約件数のうち新規客(=初来店客)とリピーターの割合を比較すると、2016年の年平均は、リピータが11%だったのに対し、2022年のリピーター割合の平均は21%にまで上昇しています。2016年以降リピーターの割合は、毎年徐々に上昇していきましたが、コロナ禍の営業自粛が、飲食店と顧客のつながりを大きく変えたきっかけにもなりました。通常営業ができなかった期間、テイクアウトやEC商品の販売などを通じて、「常連客に支えられた」という声が、テーブルチェックにも多数寄せられました。そういった飲食店は、顧客と直接つながり、SNSやメール配信などを活用する飲食店が多かったのが特徴でした。
不特定多数に向けた大々的な広告やキャンペーンが有効な方法だった時代は終わり、パーソナライズされた情報を通じて出会い、飲食店と顧客が直接つながっていく関係性に変化しつつあることの証左といえるでしょう。
地域別にみるテーブルチェック導入店舗数
飲食店と顧客がダイレクトに関係性を築いていく流れの中、公式ウェブ予約ページを提供するテーブルチェックの導入店舗数も、全国各地で飛躍的に伸びました。2016年12月時点の地域別の導入店舗数と2023年3月末時点の導入店舗数で比較しました。もっとも増加率が高かったのは、近畿でした。次いで、九州・沖縄、中部、関東と続きました。
今でこそ47都道府県すべての飲食店に導入いただいているテーブルチェックですが、2016年当時の導入店舗数は1,000店舗にも満たない状況でした。飲食店、ユーザーいずれにもネット予約に対してまだ懐疑的な人が多数派で、予約や顧客の台帳は、紙のノートで管理するのが主流でした。徐々にネット予約の利便性やメリットが認識され、訪日客も徐々に増え始めたこともあり、翌年2017年以降急速に広まりはじめました。テーブルチェック全体の導入店舗数は、2016年から2022年の間に14.5倍にまで成長しました。
無断キャンセル率比較
2018年ごろから社会問題化し、注目を集めた「無断キャンセル問題」。私たちは、すでに2017年に「キャンセルプロテクション機能」を実装し、キャンセル被害撲滅をテクノロジーでサポートしてきました。テーブルチェックのキャンセルプロテクション機能は、事前決済制やデポジット制、クレジットカード情報入力のみなど、メニューごとなどに応じて柔軟に設定が可能です。表は、このキャンセルプロテクション機能を利用しているお店と、利用していないお店の無断キャンセル率を比較したものです。キャンセルプロテクション機能を利用しているお店は、そうでないお店に比べて無断キャンセル発生率が1/9にまで低下しています。
無断キャンセルではなくとも、キャンセルはお店にとって、機会損失やフードロスなどのダメージにつながります。無断キャンセルの年間被害総額は2,000億円とも言われ、一定数は必ずキャンセルが発生します。ゲストとのトラブルを未然に防ぐためにも、キャンセル対策はしっかり行っておきましょう。
1店舗当たりのインバウンド客の予約件数
昨年10月、入国者数上限が撤廃された直後から訪日客による日本の飲食店の予約件数は急激に回復しました。テーブルチェックのデータを見ると、1店舗当たりの予約件数は、コロナ前のピークで2019年4月の7.8件/店だったのに対し、2023年4月には14.7件/店までに達し、2019年同月比で約2倍になっていることが分かりました。
ただ、日本政府観光局(JNTO)が発表している2023年4月時点での訪日外客数は、2019年同月比で33.4%減にとどまっており、全体の訪日客数に比べて、テーブルチェックを通じた訪日客の予約回復の度合いは非常に大きいといえるでしょう。ミシュランガイドやトリップアドバイザーなど国内外のメディアとの連携、多言語対応といったインバウンド向け機能の充実、利用店舗の属性などが影響していると考えられます。
キャンセル率:訪日客 vs 日本人客
活況の外食インバウンド市場ですが、注意も必要です。訪日客のキャンセル率は、日本人のそれに比べて10ポイントも高いということもデータからわかっています。旅先での急な予定変更やうっかり忘れ、スケジュールミスなど、旅行中の訪日客は、日本人客よりもキャンセルにつながりやすい要素を多く抱えています。さらに、キャンセルをしようとしても、言語が通じず電話で連絡がしづらいため無断キャンセルになってしまうといったケースも散見されます。
飲食店のインバウンド対策では、訪日客の集客と同時にキャンセル対策もしっかり行っておくことが重要です。