ミシュラン掲載店から学ぶ、世界中のフーディから愛されるレストラン運営術
料理、サービスからマーケティングまで、ミシュラン掲載店運営のポイントを解説
今から約120年前にフランスで誕生した「ミシュランガイド」は、現在では世界で最も権威のあるグルメガイドの一つとして知られるようになりました。アジア初として「ミシュランガイド東京2008」が発行されてから、日本においても最も注目の高いグルメガイドの一つとなっています。
現在、東京はミシュラン星付きレストランが最も多く「美食の都」としても知られています。飲食関係者の中には、ミシュランガイドへの掲載に関心を持っている方も多いのではないでしょうか。今回の記事では、多くのミシュランガイド掲載店が実践している、レストラン運営の秘訣を解説していきます。
ミシュランガイド掲載店の共通点から見る運営ポイント8つ
1.最高品質の旬の食材
ゲストを驚かせる美食を提供するための第一歩は、「食材」です。ミシュランガイドが公式に発表していることからも分かるように、食材の選定は非常に重要なポイントとなります。
ミシュラン掲載店が使用している食材は、決して入手困難な世にも珍しい食材を多用しているわけではありません。旬の食材の中でも最高のものを選んで使うことが重要です。ミシュラン星付きレストランを複数店舗運営する「Wa Creations」のCEO・ルーク・クレイトンは、「香港のレストランでは週に5〜6回新鮮な食材を空輸し、ランチとディナーのための食材を最高の状態で提供するための努力を惜しまない」と話します。
最高品質の食材を使用することで、料理の魅力と顧客の満足度を高め、さらに、クオリティを一貫して維持することで、の一貫性を保つことで、長期的な顧客からの評価向上、ひいてはビジネスの成功へとつなげていくことができます。
2.技術とアイデアの融合
料理の魅力は、最高品質の食材に加え、もちろん調理法と提供方法も重要になってきます。
タイ・バンコクにある予約困難なミシュラン二つ星店「Sorn」では、シェフのスパクソーン・“アイス”・ジョンシリは、長い年月をかけて地元の農家や漁師との信頼関係を築いてきました。そして、地元の伝統的な食文化を尊重し、調理法を学び、この土地に根差した独自性の高い魅力的な食事体験を提供しています。
さらに、体験価値を高めるには、調理やサービスのスキルも重要です。食材だけではなく、調理法や提供方法、そして他では味わえない特別な体験を提供し、演出することが成功の鍵となります。
3.シェフの個性と料理
シェフの個性と経験は、有名なレストランの料理に大きな影響を与えています。料理はまさにアートのようなものであり、シェフは新しいアイディアを試し、学び、創造することに日々励んでいるでしょう。
シンガポールにあるミシュランガイド掲載店「Saint Pierre」は、シェフであるエマニュエル・ストルーバンその人自身と彼の料理で広く知られています。彼は伝統的なフランス料理の修行を重ねた経歴を持ちながら、オーストラリア、シンガポール、マレーシアでも経験を積み、革新的なフュージョン料理の世界に触れました。彼は「Saint Pierre」の料理に自身の経験を反映させており、東西の要素を組み合わせた現代的なフレンチ料理でシンガポール中で高い評価を受けています。これまでにない新しいアイディアを取り入れることで、素晴らしい料理が生み出されています。
4.価値に見合った価格設定
飲食店の最も重要な課題の一つである「価格設定」。お店での体験価値に見合った価格設定をする必要があり、最適化するのが非常に難しい要素です。雰囲気やサービスの質、美味しい料理など、何か特別なものを感じることが求められます。
韓国・ソウルにある広東料理のミシュラン掲載店「Yu Yuan」は、1920年代の上海の雰囲気を再現したレストランです。料理長のクー・クォク・ファイの手により伝統的な広東料理が提供されています。地元の旬の食材を活かした完成度の高い料理、華やかで雰囲気のある内装が人気を呼び、ゲストから高い評価を受けています。コースは10万ウォン以上からと高価ではありますが、一流のサービスと洗練された店内や食器類を取り揃えており価格以上の価値を体験することができます。支払った料金に見合った魅力的なレストラン体験を提供することを心がけることもポイントです。
5.料理の一貫性
人気のあるレストランであっても、料理やサービスなどすべてのクオリティにおいて一貫性がなければ、ゲストからの評価を失ってしまうことがあります。ミシュランガイドでも「一貫性」を重視しており、評価基準の一つとしています。実際、有名なレストランでも星を剥奪されることがあります。なんらかの理由でコンディションが悪い日があるかもしれません。食材が手に入らない日や、シェフが休暇中などもあるでしょう。しかし、重要なのは提供される料理が一貫した品質で維持されていることです。顧客がいつでも最高のレストラン体験ができるように一貫性を大切にしましょう。
6.コンセプト、創造性、独自性
レストランを運営する上で明確なテーマやコンセプトを設定することは非常に重要です。そのコンセプトに合致したレストラン体験を提供することで、独自の価値を創出し、顧客満足度を高めることができます。
京都の「鮨 和魂」は、間近で料理長の高度な技術を見ることができると同時に、訪れたゲストと会話をし、コミュニケーションを取っています。ただ食事をするだけでなく、会話をしながらその場を楽しんでいただくということを大切にし、コンセプトと創造性を通じて、レストランが独自性を発揮し、ゲストを魅了し続けています。
7.効果的なマネジメント
レストラン経営において、レストランマネージャーの役割は非常に重要です。クレーム対応からSNSマーケティング、スタッフの採用、在庫管理など、多くの業務をこなす必要があります。また、様々なタスクを遂行し、スタッフと顧客に対して配慮が必要です。店舗を円滑に運営するために、幅広いスキルを習得することが不可欠です。
8.マーケティングとCRM
SNSの急速な普及により、飲食店のマーケティング方法は大きく変化しました。従来は口コミや新聞広告などが主流でしたが、現在ではSNSを中心に多様な戦略が展開されています。
テーブルチェックではEDM(electronic direct mail marketing)機能が実装されており、蓄積されたデータを元に、ターゲットに向けた効果的なメルマガを配信することができます。このようなアプローチを通じて、SNS時代において様々な戦略を実施していくことが重視されます。
集客に効果的な5つ戦略
メルマガ配信 - お得な情報、新メニュー、割引、イベントなどを伝えるメールマーケティングを活用しましょう。また、誕生日や記念日の特典を提供することで、顧客の満足度を向上させます。
料理の写真 - プロのフォトグラファーによる料理や店内の魅力的な写真をSNSなどで共有しましょう。ビジュアルが食欲をそそり、新規顧客の集客に効果的です。
イベントの開催 -特別なイベントを企画し、来店動機を創出し集客につなげましょう。イベントはSNS等の投稿につながりやすく、認知度を高めることができます。
ウェブサイト - レストランの公式ウェブサイトを活用して、最新のメニューやニュース、イベント情報などを提供しましょう。ウェブサイトは顧客に情報を提供する重要なツールです。また、正確な情報を掲載しておくことも重要です。
Googleビジネスプロフィール - 近年公式ウェブサイト以上に影響力を高めているGoogleビジネスプロフィール(Googleマップ)の管理も必須です。位置情報、営業時間など最新の公式情報を掲載しましょう。また、積極的に口コミ投稿を促進することも、検索結果での表示順位が向上し、新規顧客の獲得につながります。
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飲食店の経営は、食材の選定からお客様へのサービス、マーケティングまで、様々な要素が必要となる業種です。これらの戦略を用いて、ゲストの心をつかみ集客力を向上させ、最高のレストラン体験を目指しましょう。
テーブルチェックはミシュランガイドと公式連携しており、ミシュランガイド公式ウェブサイトから掲載レストランをネット予約することができます。ぜひレストランを予約する際は、一度チェックしてみてください。