2021年から毎年開催しているTableCheck Hackathon。今年は、社内メンバー63名が参加し、10チームに分かれてAIを使った新サービスを2日間で開発しました。ChatGPTのローンチを皮切りに、飲食業界でも注目を集めるAIサービスですが、実際に飲食企業が活用できているかについてはまだ限定的です。今回のHackathonでは、実際の飲食店の現場で誰もがAIを活用しオペレーションや経営を改善していける革新的なサービス開発に取り組みました。近い将来TableCheckの新サービスとして実装される日がくるかもしれません。

各チームが発表したサービスに対する評価やこんな飲食店向けAIサービスがあればいい、など、読者の皆様、ぜひご意見をお寄せください。

【最優秀プロジェクト】音声だけで予約作成できるAI機能

飲食業界の人手不足は、依然として深刻な問題です。そんな中、エンジニアマネージャーのダニエル・リジク率いる「Team Salt Bae」は、端末の画面に触れることなく音声だけで予約作成ができる新機能を開発。予約作成にかかる時間を削減するために音声からテキストへの変換にAIを活用しました。テーブルチェックのマネージャー画面内で予約希望日・時間・人数を話すとAIが予約を作成してくれます。少ない人員でもより多くの業務をこなすことが可能になり、人件費の削減にもつながります。

テーブルチェックのビッグデータを見ると、予約全体の約40%は電話予約を受けて手作業で予約作成が行われていることが分かります。この新機能があれば、音声認識を活用して作業効率の大幅な向上が期待できます。このチームは、「最優秀プロジェクト」と「最も楽しいプロジェクト」の2冠に輝きました。

【ビジネスインパクトが大きいプロジェクト賞】複雑な設定もAIで簡単検索・変更

エンジニアマネージャーのシメオン・チーズマン率いる「Team Divine Pizza of the Heavens」は、飲食店が設定を変更する際に、どの設定ページを見るべきか、何を変更するべきかわからないという問題に、誰でも簡単に設定できるようサポートするAI機能を開発しました。テーブルチェックの予約システムには、数多くの機能が実装されており、導入時に店舗それぞれに合わせた細かな設定を行います。その分、設定を変更する場合、「どのページからどの設定を変更すればいいんだっけ？」と行き詰まり、サポートデスクに相談される方もいらっしゃいます。このチームが開発した新機能は、変更したい内容を入力するだけで、基本的な設定情報と、設定を変更できるページを教えてくれるというものです。これにより、飲食店は忙しい営業時間の合間を縫ってサポートデスクに問い合わせることなく、自身で問題解決ができるようになります。また、毎月3,000件あるサポートデスクへの問い合わせ件数の削減にもつながります。ユーザー体験の向上だけではなく、テーブルチェックメンバーの作業効率も向上させることができます。

【AIを効果的に利用したプロジェクト賞】ワンクリックで顧客の好みに合ったメルマガ作成

入社から間もない期待の新人・穂坂俊輔率いる「Team G.Ramsay's Lamb Sauce」は特別賞の「AIを効果的に利用したプロジェクト」を受賞しました。テーブルチェックにはメールマーケティング（EDM）機能が実装されており、お店から顧客に対してメルマガを配信することができます。しかし、メールマーケティングの経験あるスタッフがいなければ、期待した成果を上げるのは難しく、作成にも多くの時間がかかってしまします。そこで、このチームはAIを活用してたったワンクリックでメルマガを作成できる機能を開発しました。既存顧客のデータを、類似の興味やタグを持つ顧客グループに分類し、ターゲットに合わせた文章や画像を自動で作成。これにより、顧客それぞれの好みや興味に合ったメルマガを瞬時に作成することができ、メルマガを通じて来店促進やリピーター獲得といった効果が期待できます。

これからのAI技術とテーブルチェック

今回のHackathonは、AIが飲食店の現場でも活用されれば、様々な問題が解決され、経営やオペレーションが飛躍的に改善されることが実感できる回になりました。また、普段関わりのないメンバー同士の交流で、日本チームとグローバルチームの距離を縮めるきっかけにもなりました。

CTOのジョンは「これは大成功だった。私にとってのKPIは、メンバーがどれだけ学んだかであり、非常に素晴らしかったです。全体的にポジティブなエンゲージメントを生み出し、常に新しいことを学ぶ会社で働いているのは、とても楽しいことだと思います。さらに、過去のハッカソンと同様に、これらのアイデアのいくつかは将来のプロダクトに何らかの形で取り入れられるかもしれません。AIは革新の扉を開き、テーブルチェックはそれを活用してお客様に最高のプロダクトを提供します」と話しています。

テーブルチェックはAIをはじめテクノロジーでこれからも飲食業界に革新をもたらす企業を目指していきます。