TableCheck Author
2023年4月6日 · 読了時間:5 分
海外からの観光客増加が見込まれる中で、インバウンド対策の重要性が高まっています。飲食店の場合も、外国語メニューの準備など訪日外国人が安心して利用できる環境を整える必要があるでしょう。
今回は、インバウンド対策を効果的に実施するポイントや事例をご紹介します。
インバウンド(inbound)という単語の意味は「入ってくる、到着する」です。飲食や観光業界におけるインバウンド対策とは、海外から日本へ入国する訪日外国人観光客向けの施策を指して使われます。
具体例を挙げると、メニュー表の多言語化や、観光地の音声案内ガイドサービス導入などです。海外から訪れる観光客の心を掴むには、店舗にさまざまなインバウンド対策を施す必要があります。
今後訪日外国人観光客の増加が見込まれる中で、インバウンド対策の強化が欠かせないポイントとなるでしょう。
インバウンドに関するより詳しい説明は、こちらの記事で確認してみてください。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、日本だけでなく全世界でインバウンド集客数が激減しました。海外からの観光客が多かった地域では、店舗経営に大きな影響が出たことでしょう。
訪日外国人観光客の数が以前の水準に回復するまでには、まだ時間がかかるといわれています。しかし、2022年6月には外国人観光客の入国が見直されるなど、少しずつ回復の方向に進んでいるのは事実です。
さらに政府は、2030年までにインバウンド集客6,000万人を達成するという目標を、現在も修正することなく掲げ続けています。今後回復が期待できるインバウンド需要に向けて、事前に準備を進めておくことが大切です。
観光客受け入れが認められるまでは、訪日外国人の多くはビジネス目的で日本を訪れていました。インバウンド需要回復の兆しが見え始めた今後は、旅行客の増加が見込まれます。
ビジネスと比べて、旅行目的の訪日外国人達は観光地を巡る時間や食事を楽しむ余裕が多いと考えられるでしょう。飲食店のインバウンド対策は、まさにこれからが勝負時です。
日本の食を楽しみに旅行を計画している方々にむけ向けて、お店の整備や情報発信の準備をしていきましょう。
完全に需要が戻るまでにはまだ時間がかかると予想されているため、今からインバウンド対策を始めれば、少しずつ外国人観光客が利用しやすいお店作りを進められます。
インバウンド対策の重要性が高まっている背景には、次の3つの理由が関係しています。
観光庁が訪日外国人の受入環境整備を強化している
外国人旅行客の増加が見込まれている
十分な対策がとれていないお店も多い
それぞれのポイントを詳しく解説します。内容をチェックし、お店のインバウンド対策を見直すきっかけにしてみてください。
国土交通省の観光庁は、訪日外国人観光客が快適に滞在できる環境を整えることに注力しており、インバウンド対策を取る企業や店舗のサポートにも取り組んでいます。
美術館や博物館、自然公園などの外国人観光客が多く訪れるであろう場所の多言語化や、公衆無線LAN整備などもその活動の一部です。
国がインバウンドに力を入れるほど、店舗経営オーナーとしては訪れた外国人観光客を集客するチャンスが増えます。国や自治体からの補助金や助成金制度を利用できる場合もあるため、今このタイミングでインバウンド対策に取り組むのがおすすめです。
海外からの団体観光客の受け入れ開始を受け、すでに需要増加の傾向がみられるのは羽田、成田、関西、名古屋、福岡などの主要空港です。先に挙げた5つの空港では、2022年の夏ごろにはコロナ以前の7割ほどまで回復すると期待されています。
今後日本発着の国際線が着実に増加していく中で、どれだけ外国人観光客を受け入れる体制がとれているかが重要なポイントとなるでしょう。
インバウンド需要が十分に回復するにはまだ少し時間がかかるからといって、今できる対策を取らないでいるのは機会損失につながりかねません。
実際にはまだまだメニューの多言語化やキャッシュレス対応がとれていない店舗が多く、すぐに行動を起こせばライバル店と差別化できる可能性が高いでしょう。
特にインバウンド集客のメインであった中国や韓国からの安定した集客が難しい現在では、客層に合わせてこれまでのインバウンド施策を見直す必要も出てきます。
将来的なインバウンド需要に合わせて前もって行動できるかどうかが、集客成功のカギとなるのです。
インバウンド対策は、ぼんやりとしたイメージだけで進めていてはなかなか効果を出せません。自店舗ならではの施策を打ち出すためには、次の4つのポイントを押さえる必要があります。
ターゲットを設定する
お店の魅力やウリを研究する
お店のサービスや環境を整える
ツールを活用して発信する
各ポイントをしっかりと理解して、インバウンド対策を効果的に行えるようにしましょう。
インバウンド対策に限らず、集客をする上ではターゲットを明確化することが第1ステップです。「ターゲットは外国人観光客では?」と思った方は、まだまだターゲット設定が甘いといえるでしょう。
例えば、ジャンルが同じ日本食レストランであっても、家族連れが訪れるような気軽な雰囲気なのか、少しかしこまったシーンで利用されるお店なのかでターゲットが異なります。
前者の場合は家族連れの外国人観光客がターゲットとなるため、広い世代に受け入れられる料理の提供や子どもが過ごしやすい環境の整備が必須です。
一方で後者は、旅の記念に少し特別な食事をしたいと考えている外国人観光客向けで、店内の雰囲気にもこだわり、メニューの説明も丁寧に行うと喜ばれるかもしれません。
このように、具体的な施策を考えるためには、できるだけ詳細にお店に合ったターゲットを設定するようにしましょう。
ターゲット設定の次に行うのが、自分のお店の研究です。ウリにできるメニューや、観光客に魅力を感じてもらえるポイントを探しましょう。
お店の魅力やウリという点では、国内の集客とインバウンド集客ではニーズが異なる場合があります。これまでとは違った視点で、外国人観光客の方々にアピールできるところがないかを探すのが重要です。
日本の古民家を改造したカフェやレストランでは、建物自体に魅力を感じてくれる外国人観光客も多いでしょう。また、日本ではお馴染みの券売機での注文や、仕切られた快適な1人席、丁寧な接客に喜んでもらえる可能性もあるはずです。
ターゲットの設定とお店のウリが決まれば、早速現在の状況をチェックしていきましょう。求められるニーズに合わせて、お店の環境やサービスを整えていく段階です。
基本であるメニューの多言語化をとっても、どの言語に訳すのか紙のメニューか、タブレットで注文を受けられるようにするのかなどを検討しなければいけません。
また、忘れずに準備を進めておきたいのが支払い方法の見直しです。日本円の扱いに慣れていない外国人観光客は、クレジットカードや旅行情報サイト上での前払いなど、キャッシュレス決済を好む傾向があります。
お店としてはキャッシュレス決済の導入により手数料を支払うことになるケースもあるため、必要性を検討して導入を進めましょう。
インバウンド対策で忘れてはいけないのが、SNSなどのツールを介した情報の発信です。インターネットで簡単に情報が得られるようになった現在では、多くの人々が旅行前に情報収集を行うでしょう。
特にインバウンド集客に成功しているお店をみると、世界的に有名な旅行情報サイトの口コミを多く獲得していたり、海外からの旅行者がお店の情報を個人のブログにまとめてくれていたりします。
つまり、集客しようとするエリアの人々に向けて、お店の情報が発信されていることが重要です。SNSであればアカウントの作成は無料で行えるため、ハッシュタグを上手く利用してターゲット層にコンテンツを届けてみてください。
飲食店が、インバウンド対策を進めるヒントとなる具体例を3つご紹介します。
ホームページやメニューの多言語化
支払い方法の提示
SNSの活用で知名度アップ
自分の店舗で取り入れられそうなアイディアは、すぐにでも取り組んでみてください。
詳しいインバウンド集客に関する情報は、以下の記事でもチェックいただけます。
ホームページやメニューの多言語化を済ませておくことで、利用者が快適に食事を楽しめるだけではなく、スタッフの負担を軽減する効果も期待できます。
メニューに写真があるといっても、不慣れな土地での注文には不安を覚える外国人観光客は多いでしょう。また、ホームページやメニューが翻訳されていないと、スタッフが作業の手を止めて接客をしなくてはなりません。
タブレットやモバイルオーダーのメニュー表であれば、言語を切り替えて表示することもできます。何カ国語の言語に対応すべきかはお店によって異なるため、お店の立地や戦略によって検討してみてください。
メニューやホームページをできるだけ使いやすく分かりやすいものにする努力は、インバウンド対策の強化には欠かせません。
多言語化が完了したら、お店を訪れる観光客にアピールできるように、店先やレジに外国語メニューの準備があることを知らせるお知らせを掲示するのも良いでしょう。
日本では、キャッシュレス決済未対応の店舗がまだまだ多いのが現状です。クレジットカードを始めとするキャッシュレス決済を利用する外国人観光客の場合は、いちいち利用が可能な店舗かどうかを確認する手間が発生します。
日本語があまり堪能ではないケースでは、確認だけでもかなりの精神的負担となる可能性があるでしょう。
そこで、支払い方法を店先や看板などに記載しておくのも、インバウンド対策として有効です。心遣いをしてくれるお店だということが伝わり、観光客にも安心してもらえます。
拡散性の高いSNSは、日本のみならず海外まで情報を伝えるのにピッタリのツールです。興味を引くコンテンツを作り上げることができれば、多くの人の目に留まる可能性があります。
集客にSNSを活用する際は、ユーザーがキーワードで検索をした際に自店の情報をヒットさせなければなりません。まだお店の名前を知らない海外ユーザーに向けての発信となるため、ハッシュタグの利用が効果的です。
例えば、次のようなハッシュタグを付ければ、日本旅行の食事を探しているユーザーにアピールできます。
# japan trip
# japanese restaurant
# japanese food
# (地名)food
店舗名のハッシュタグも忘れずに付けるようにして、お店に関する情報量を少しずつ増やしていきましょう。飲食店の場合は、メニューやお店の雰囲気を伝える写真が重要であるため、Instagramの利用がおすすめです。
インバウンド対策で活用できる補助金や助成金には、次のようなものがあります。
インバウンド対応力強化支援補助金
外国語ホームページ新規作成費用支援助成金
受動喫煙防止対策助成金
インバウンド対策を進めるお店をサポートする制度は、各自治体により内容が異なります。お店を構えている地域で利用できる補助金や助成金があるかどうか、今一度確認しておくと安心です。
インバウンド対応力強化支援補助金とは、公益財団法人東京観光財団が実施している制度です。訪日外国人観光客が利用する施設の環境整備を進め、快適に過ごしてもらうことで日本に再訪してもらうことを目的としています。
支援対象者は、東京都のホテル、宿泊施設、飲食店、免税店事業者などです。予算に達した時点で申し込みが締め切られてしまうため、該当する飲食店オーナーは早めに概要のチェックをしてみてください。
外国語ホームページ新規作成費用支援助成金とは、その名のとおり店舗のホームページ多言語化にかかる費用を支援してくれる制度です。助成金を受け取れる対象は、東京都台東区内の事業主に限られます。
利用しやすい多言語サイトを作るための制作費5万円と、外部業者に翻訳を依頼する費用5万円を受け取ることが可能です。
ご紹介したのは東京都台東区内の助成金ですが、ホームページ多言語化をサポートしてくれる補助金や助成金は他の多くの自治体でも実施されています。
飲食店のインバウンド対策に必須といえるホームページの多言語化を検討している場合は、自治体で利用できる助成金があるかどうかを確認してみましょう。
受動喫煙を防ぐための予防設備の増設、設営を支援するのが、厚生労働省の運営する受動喫煙防止対策助成金です。具体的には、喫煙室や屋外喫煙所、換気装置の設置などの事業が該当します。
分煙の進んでいる国からの観光客は、分煙のされていない居酒屋や喫茶店の利用に不快感を覚えてしまうでしょう。大人から子どもまで、安心して食事ができる空間を確保することは飲食店のインバウンド対策に欠かせません。
受動喫煙防止対策助成金は、従業員のための設備を作ったり、環境改善を行ったりする場合も支援の対象となります。工事の着工前に、忘れずに申請を行うようにしましょう。
海外旅行自粛の雰囲気が落ち着き始めている昨今では、今後の需要増加が期待できるインバウンド対策への対策強化を急ぐ必要があります。海外からの旅行客が、日本での食事を楽しむことを旅の目的としているケースも多いでしょう。
日本語があまり得意ではない観光客のために、外国語のメニューやホームページの準備ができていると喜ばれます。また、どれだけお店の情報が海外に向けて発信されているかも重要なポイントです。
飲食店がインバウンド対策を始めようとする際には、ターゲットの設定とお店の研究が欠かせません。しっかりと情報収集を行い、自分のお店だからできる集客方法を探してみてください。
また、事前に旅行先の情報を調べたいと考えている外国人観光客も多いです。お店の魅力が伝わるように、情報発信をしてみましょう。
旅行情報サイトの登録には費用がかかってしまうため、InstagramやTwitterといったSNSを上手く利用するのも手です。海外の方々の興味を引くコンテンツであれば、大々的に拡散され知名度を上げられるかもしれません。
外国人観光客は簡単に扱えるキャッシュレス決済を好む傾向があります。テーブルチェックは、業界トップの18ヵ国語対応している、インバウンドにも効果的な顧客管理ツールです。
顧客の情報や予約情報の管理が簡単に行えるテーブルチェックを、インバウンド対策を進める際にぜひ活用してみてください。
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