望月 実香子
2020年5月21日 · 読了時間:3 分
2020年4月20日に株式会社インフォマートと共催した「飲食店の利益を〝最大化〟するデータ活用術」セミナーレポートをお届けします。
飲食店運営する上で「リピート客を増やすには?」「売上・利益を向上させるには?」「ロスをおさえるには?」というお悩みをよく耳にします。それらを解決する施策の一つとして、今「データ」の蓄積、活用がますます重要になってきています。
今回は、セミナーレポート第1部テーブルチェック編をお届けします。ネット予約を通じて、データを蓄積・活用することで、売上予測や売上利益の最大化する方法をお話しています。ぜひ最後までご覧ください。
突然ですが、飲食店のみなさん、各予約チャネルの費用対効果を把握していますか?
毎月どの広告媒体や販促ツールに、どれくらいの費用をかけ、どれくらいの、どのような効果を得ていますか?
これらはROI(≒費用対効果)を算出することで、おおよそ把握することができます。ROIとは「Return On Investment」の略で、投資した資本に対して、得られる利益を意味する経済用語です。
ROIは、
顧客生涯価値(LTV)/ 投資額
で割り出せます。
さらに、LTVは、
平均購買単価 × リピート率 × 継続購買期間
で算出します。
こういったデータ活用がより浸透している宿泊業界では、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールという、データ分析ツールが広く使われており、過去の予約データなどから稼働率の調整を行い、予約受付やプライスの最適化を自動で行っています。
そういったデータの「活用」は、必ず飲食店にとってもさらに重要になってきます。ビッグデータを持ち、活用することであらゆるビジネスの勝算を高めることができるからです。
ここで、普段みなさんが利用している集客ツールのROIを考えてみましょう。
各グルメサイトに、毎月いくら支払っているか?広告掲載料と送客手数料の部分ですね。この月額費用は把握されている方も多いと思います。
では、そのグルメサイト経由で予約したお客さんの平均単価は?リピート率は?ここまでくると、ほとんどの方が把握されていないんじゃないでしょうか?ここが分からないと、ROIを把握できず、どの集客・販促ツールにどこまで資本を投下すべきか、その資本投下によって、どれくらい効果を期待できるのかが見えてこず、経験と勘に頼った販促計画にならざるを得ません。
こういったことはマネージャーや専任の担当者が、各情報を記録し、エクセルなどで手作業で算出している企業もなかにはいらっしゃるかと思います。ただこの方法は、かなりの労力と時間がかかってしまいます。
今年3月、当社から新たにローンチした飲食店向けBIツール「Insight(インサイト)」は、これまで各店舗の予約システムに蓄積してきた予約情報を分析し、
「予約チャネルコントロール」
「売上・来客予測」
を自動的に可視化することで、飲食店経営の「ヒト・モノ・コト・トキ」の最適化・自動化を可能にします。つまり、スタッフィング・在庫・プロモーション・営業時間などを、過去の膨大な予約データを精緻に分析し、最適化・自動化を図ることが可能になるということです。
さらに、来店客の顧客価値を可視化する「カスタマースコア」も今年中に実装予定です。
さて、データ分析が自動化されると、飲食店経営はどのように変化していくのでしょうか?
あらゆるデータを可視化することにより、予約チャネルごとの費用対効果の把握が可能になります。例えば、どの予約チャネルから入ってきたお客さんがもっともLTVが高いのか、つまり、平均単価やリピート率が高いのか、瞬時に視覚的にとらえることができます。
例えば、利用しているグルメサイトや予約システムなどの予約流入経路ごとのリピート率比較。
グルメサイト経由予約のリピーターが多いのであれば、それは「無駄な送客手数料」を払っているのかもしれません。オウンドメディア予約に誘導して販促コストを圧縮できないか、などの現状把握と施策立案をすべき、という結論が導き出せます。
「食事」「サービス」「雰囲気」「コスパ」などのポイントで顧客満足度を可視化できるアンケート機能も実装しています。
Insightには、マシンラーニングによる将来の売上や来客数の予測機能も実装されています。将来を数字で予測することで、プロモーションやスタッフィング、在庫などを、事前に最適化することが可能になります。
例えば、「来月は平日の予約数が30%落ち込む」と予測が出たとしましょう。
そうすると、平日のお得なプロモーションプランを打ち出し、単価を下げて客数アップで予算達成を狙う施策が考えられます。
逆に「来月は予約数が50%増加する」と予測されたとしましょう。
そうすると、グルメサイトなどの広告媒体で積極的に訴求しなくても、オウンドメディアから予約が入る、と仮説を立て、グルメサイトに開放している席在庫を減らしてみる。オウンドメディアだけで満席にできたなら、グルメサイトの効果は薄いという結論を導き出し、販促コストを圧縮し、最適化できるかもしれません。
今年中のローンチを目指して、現在開発中なのがこの「カスタマースコア」です。
これまでの、消費者がお店を評価する一方向性ではなく、お店も消費者を評価し、その顧客価値データを企業を越えて共有しよう、というものです。
この双方向の評価とスコア共有は、ネット業界ではすでに当たり前になっています。例えば、Uberやヤフーオークションは、売り手と買い手双方のスコアが可視化され、それを基準に人々は取引する相手を選択しています。
この仕組みを飲食業界にあてはめると……
例えば、無断キャンセルが多いユーザーに対しては、予約時にクレジットカード情報入力を必須にするなど、予約ハードルを高めて、キャンセルリスクを飛躍的に下げることができます。
好スコアの優良顧客に対しては、優先予約や割引などの様々な優待を提案し、集客につなげることが可能になります。
これをさらに発展させると、自店舗のファンになってくれそうな属性の優良顧客だけに(しかも、自店舗に来店したことがなくても)、ターゲットを絞ってダイレクトにアプローチができるようになります。
消費者からすると、自分好みのお店から様々な優待の案内が受け取れるメリットがあり、外食するインセンティブにもなります。
これが当社が最終的に目指すプラットフォームの在り方、マーケティングオートメーション・オプティマイゼーションです。
パーソナライズされた情報を、飲食店、消費者双方に自動的かつ最適に届ける。そうすることで、これまで不特定多数に訴求していた広告媒体ではできなかった、ベストマッチングを行えるようになり、顧客のLTVに合わせて、さらに消費者への還元率を高めることも可能になります。
私たちが目指しているのは、常にレストランとカスタマーの最良のプラットフォームであり続けること。
飲食業界の集客・告知をはじめとしたマーケティングは、今急激に変わりつつあります。その変化の中で勝ち残っていく鍵は、「データ活用」にあると考えています。
飲食店の利益を〝最大化〟するヒントになれば幸いです。
ありがとうございました。
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望月 実香子
時事通信社社会部記者、出版社勤務などを経て、フリーランスPRへ。主に都内のレストランのPRに携わる。 レストランでのイベント企画・運営や、年間100以上のメディア掲載を獲得するなど経験を積む。2019年TableCheckにPRとして参画。美味しいものが世界平和をつくると信じるレストラン大好き食いしん坊。
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