1. コロナ禍の「飲食店経営」のいま。特に厳しい中価格帯や宴会業態
2. いま手元にある「お金」、VSコロナ時代に最大有効活用するには?
3.まずはじめにやるべきこと=現状把握!借入枠と借入適正額、把握できていますか?
①いまの「借入枠」より好条件のものがあるかも!?「借り換え」を考えてみる
②借入&返済状況を把握する「借入一覧表」&「返済予定表」
4. vsコロナ時代の5年間の返済/投資計画の考え方 ープロが教える4つのポイントー
①何に、いくら投資しますか?
②多めに借入れた余剰資金、早めに返済すべき?
③コロナ融資の返済開始を早めるべき?
④自分たちでお金を生み出す力をつけよう!
5. いまの状況で「攻めの経営」はできるのか?
6. 「VSコロナ時代に勝つ!飲食店の資金繰り」オンラインセミナー開催!
望月 実香子
2020年7月21日 · 読了時間:4 分
1. コロナ禍の「飲食店経営」のいま。特に厳しい中価格帯や宴会業態
2. いま手元にある「お金」、VSコロナ時代に最大有効活用するには?
3.まずはじめにやるべきこと=現状把握!借入枠と借入適正額、把握できていますか?
①いまの「借入枠」より好条件のものがあるかも!?「借り換え」を考えてみる
②借入&返済状況を把握する「借入一覧表」&「返済予定表」
4. vsコロナ時代の5年間の返済/投資計画の考え方 ープロが教える4つのポイントー
①何に、いくら投資しますか?
②多めに借入れた余剰資金、早めに返済すべき?
③コロナ融資の返済開始を早めるべき?
④自分たちでお金を生み出す力をつけよう!
5. いまの状況で「攻めの経営」はできるのか?
6. 「VSコロナ時代に勝つ!飲食店の資金繰り」オンラインセミナー開催!
コロナクライシスの中、政府の支援策を活用して新たに融資をうけた方も多いのではないでしょうか?今回は、「借りて手元にあるお金を、今後5年間どう最大有効活用する?」という疑問にお答えする企画です。
教えていただくのは、前回のブログ「新型コロナ対策:飲食店支援まとめと解説 ー資金繰り編ー」でもレクチャーいただいたビーワンフード代表の廣瀬好伸さん。倒産率の高い飲食業界において、創業から13年間一社も倒産させていない!という飲食店の資金繰りのプロ集団です。
8月5日に今回の内容をより深くレクチャーいただくオンラインセミナー開催も予定していますので、ぜひ最後までご覧ください。
はじめまして。ビーワンフード代表の廣瀬です。このたび8月5日にテーブルチェックさんと共催で「VSコロナ時代に勝つ!飲食店の資金繰りセミナー」を開催させていただくことになりました。そこで、セミナー開催に先立って、VSコロナ時代に必要な資金繰りや返済/投資計画の立て方などの「お金」と「経営」に関する知識を、こちらの記事でお伝えしていければと思います。
(セミナー詳細については、最後に記載しています!)
わたしたちビーワンフードは、日本で唯一の飲食店専門の戦略財務カンパニーです。クライアントである飲食企業様の社外CFOとして、新規出店の投資判断から、倒産を防ぐための借り入れ、収支構造の改善、リスクマネジメントなど、攻守のバランスを意識して、クライアントにとって最も効果的なコンサルティングを行っています。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、周知のとおり、わたしたちのクライアント様を含む全国の飲食店は、非常に甚大なダメージを受けています。帝国データバンクの発表によると、2020年上半期の飲食企業の倒産件数は398件にものぼり、過去最多になりました。
飲食業界のダメージを全国的に俯瞰してみると、地域によって売上は異なるものの、やはり全体的にコロナ前の売上には程遠く、固定費をまかないきれていないのが現状です。
ただ、エリアと業態、価格帯で回復の早さが異なっています。いわゆる高級業態や予約制・紹介制の人気店、客単価が2,000円以下~2,000円前半と低めのお店は、比較的客足が一部回復傾向にあります。逆に厳しいのは、中価格帯や宴会需要のお店です。そういったところは、テイクアウトやデリバリー、またはECに進出することで活路を見いだしている企業もあります。
エリア特性でみてみると、「ベッドタウン」や「ベッドタウン+繁華街」といったエリアは戻りが早い傾向が見られ、逆に「オフィス街」は厳しい。
また、B/S(=貸借対照表)の現状に関しては、多くの企業はお金を借りることができているようです。銀行からの提案通り、借りられるだけ借りている企業が多く、たとえ売り上げが出ず赤字になり、なおかつキャッシュアウトが多い状態でも、数カ月は耐えられる状態の企業が多いといえます。
助成金や補助金、新たな融資などで、ある程度まとまったお金が手元にある企業が現状多いと思います。先行き見えないVSコロナ時代、その「お金」をどう使っていくべきでしょうか?何があるか分からないから、できるだけ手を付けずに残しておくべき?新規出店など設備投資につかうべき?
各企業によって状況や目標設定は千差万別なので、一概に「コレだ!」とは言えませんが、ここでは、重要な経営判断を正しく導くための方法をご紹介します。
まずはじめに、いま借りているお金は、どこから、どれだけ借りているのかを把握する必要があります。そのうえで、コロナ支援策で政府などから出ている融資枠をチェックして、より好条件で借りられるものがあれば、「借り換え」を考えてみましょう。コロナウイルスの流行が長引いていることから、時間が経つにつれてより有利な条件の融資情報が出てきています。据置期間が延長されたり、利率が下がったコロナ支援融資枠などが出ていますので、従来の借入枠から切り替えれば、余分な利息を払う必要がなくなったり、返済を先延ばしにできたりします。
クライアント企業の経営者さんに、『いつからいくら返すかわかっていますか?』と聞いても、実は答えられない方が多いです。担当の税理士さんと共通言語を作っておくためにも、「借入一覧表」や「返済予定表」でいつからいくら返すのかを把握しておきましょう。
「借入一覧表」は、どこから、いくら借りているのかを表にしたもの。
「返済予定表」は、どの借入が、いつから返済スタートする必要があるのかを表にしたもの。
どちらも情報を整理する重要なツールになってきますので、ぜひ作成してみてください。
次に、借入金額が適正かどうかも見極めておきましょう。
そのためには、P/L(=損益計算書)から1~5年の予算を立て、どのように推移していくのかをしっかりと把握する必要があります。店舗ごとにP/L予算を立て、ワーストシナリオを通った場合の売り上げ計画を描いたうえでキャッシュ・フロー計算書の予算、もしくは資金繰り表の予算を1年分程度作成することが大切です。キャッシュがいつ・いくら出ていくのか、税金がいくらかかるのか、返済にはいつからいくら必要なのか、こういったことが把握できていないと、投資にいくら回せる余剰資金がいくらなのかについて判断ができません。
お金まわりのことは、とにかく「早めに動く」というのが鉄則。足りていないことが分かれば、次に真水(新たな融資)を借りに行くという選択肢を検討できます。借入自体は、しっかりと計算してやれば難しくありません。
コロナクライシスが収束していないいま、先を見据えて動くというのは難しいのが正直なところです。VSコロナの今後5年間の資金計画の立て方について、どのように考えるべきでしょうか。わたしたちがクライアントさんにも提案している4つのポイントをおさえておきましょう。
出店をはじめ、テイクアウトやデリバリー、ECの仕組みをつくるなど、何に投資するかを考える必要があります。飲食業とは違う業種への投資でももちろん構いません。ただ、大切なのは、投資をするからには回収すること。
例えばテイクアウトサービスをはじめるのに100万円投資するのであれば、それをどのくらいの期間で回収できるか、どれくらいキャッシュを生み出す力を付けられるかをしっかり見極めてから意思決定をすべきです。ランチの客数からテイクアウト商品の出数を試算するなど、数値化することで「やる・やらない」または「続ける・やめる」などの意思決定ができるようになります。
仮に想定していたワーストシナリオよりも早めに経営状況が回復していたり、売上が戻りつつあるお店については、多めに借入れた「余剰資金」をいつ、どう返済するのかを考える必要があります。B/Sの総資本の総額が大きくなると銀行格付けに悪い影響が出るケースがあり、その結果新たな借入がしにくくなったり、余分な金利も払うことになったりする可能性もあります。コロナ融資枠で借りたお金は、無利子無担保の間は借りておき、利子が発生するタイミングで返済をすることで、利子を抑える方向へ転換するのがよいでしょう。
コロナ融資では据置期間を取られているケースがほとんどだと思いますが、その枠はいわゆる特別枠ではあるものの、据置期間中は一般枠での保証協会付き融資の与信に影響がでる可能性があると考えています。
一例として返済期間を前倒しにして短くすることで、新たな借入を起こしていくことができます。また、コロナ融資枠は長期の運転資金というのが前提のため、そこで借りたお金を新規出店などの設備投資に使うのは得策とはいえません。投資に使いたい場合は、コロナ融資枠分を返済して新たに借り直す方がよいでしょう。
営業キャッシュをどのようにプラスにしていくかを考える際、有効なのは「コストカット」です。特に飲食業は固定費率がきわめて高いので、コストカットをしていかないと損益分岐点売上高が落ちてきません。FL(=食材原価と人件費)管理の徹底はもちろん、家賃の見直し交渉からクレジットカード決済料の見直しまで、今まで「下がらないもの」として放置しておいたものまでこれを機に一斉に行うのがよいでしょう。
また、赤字が出ている店舗がある場合、退店の判断をする方が得策の場合もあります。年間赤字になっているお店を切った瞬間にそれ以上のマイナスがなくなり、キャッシュアウトを最小限に抑えられます。利益体質の店舗だけ残して筋肉質な運営をすることを意思決定することも時には必要ではないでしょうか。
この状況において「攻めの経営」の可能性として「M&A(=合併と買収)」が考えられます。この状況下では、普段であれば絶対に買うことのできない価格で売買される企業があるかもしれません。そういった場合は、非常に良い取引ができる可能性があります。
また、「攻めの経営」のもう一つの可能性は、飲食業とは別の業種への投資です。店内飲食のみの経営では、第2波の影響でまた営業自粛が要請されれば、さらなるダメージをうけることは避けられません。テイクアウト、デリバリー、EC(通販)など、事業ポートフォリオを分散化させることが、コロナのダメージを軽減する一つの策として考えてみる価値はあります。
さて、これまでコロナ禍における飲食店の資金繰りについて基礎的なお話をしてきましたが、もっと掘り下げた内容で、8月5日(水)15時~、「VSコロナ時代に勝つ!飲食店の資金繰り」オンラインセミナー開催します!
【参加メリット】
◆ 融資や助成金で手にした「お金」の有効な使い道が分かる!
◆ 分かりづらい融資の種類を整理し、自分に合った選び方が分かる!
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【こんな方におすすめ!】
◆ 手元の資金を最大活用する投資・返済計画を知りたい方
◆ 第2波懸念のなか、借り入れを検討している/する予定の方
◆ コロナクライシスで借り入れた金額が適切なのか知りたい方
【オンラインセミナー内容】
コロナクライシスの中、政府の支援策を活用して新たに融資をうけた方も多いのではないでしょうか?
今回は、「借りていま手元にあるお金を、今後5年間で最大有効活用するには?」という疑問におこたえする企画です。飲食店専属で戦略財務コンサルティングを提供するビーワンフード代表・廣瀬さん、中小企業庁金融課の融資専門担当・田口さんから、詳しく解説いただきます。
全国の飲食事業者のみなさまどなたでもご参加いただけますので、
ぜひお申込みください!
※セミナーは終了いたしました。
教えてくれたのは……
株式会社ビーワンフード代表取締役・廣瀬好伸さん
京都大学在学中に公認会計士試験に合格。三大監査法人のひとつ「あずさ監査法人」に入社。主に銀行監査を担当し銀行内部事情に精通する。起業後、上場企業顧問、上場準備支援、M & A 支援、企業再生支援等を中心に活動し、その後、日本で唯一となる飲食店専門の戦略財務参謀サービスを提供する株式会社ビーワンフードを設立。創業から13年、倒産率が最も高いと言われる飲食業界において、これまで同社のクライアントで倒産は0件。外食企業の社外CFOとして、財務の面から飲食店経営を強力にサポートする。
望月 実香子
時事通信社社会部記者、出版社勤務などを経て、フリーランスPRへ。主に都内のレストランのPRに携わる。 レストランでのイベント企画・運営や、年間100以上のメディア掲載を獲得するなど経験を積む。2019年TableCheckにPRとして参画。美味しいものが世界平和をつくると信じるレストラン大好き食いしん坊。
TableCheckでお店の予約顧客管理に革新を。まずはお気軽にご相談ください。