TableCheck Author
2022年7月8日 · 読了時間:4 分
キャッシュレス決済の導入は、消費者と飲食店の双方にとってメリットが期待できます。キャッシュレス決済を選ぶ際は、決済方法や導入コストをチェックし、客層や業種にあわせて選ぶことが重要です。
本記事では、キャッシュレス決済導入による飲食店側のメリットや、キャッシュレス決済の選び方を解説します。
従来、商品購入やサービス利用時の決済は、現金によることが一般的でした。キャッシュレス化とは、現金決済から現金を使用しない方法(キャッシュレス)に移行することを指します。
最初に、国がキャッシュレス化を推進する理由やキャッシュレスの種類や手段について確認しておきましょう。
なお、種類やシステム導入の利点など、キャッシュレス決済にまつわる幅広い知識を得たい方は、本記事とあわせて以下の記事も参考にしてください。
2018年、経済産業省が「キャッシュレス・ビジョン」を公表してより高いキャッシュレス決済比率実現を宣言し、産学官が連携した組織としてキャッシュレス推進協議会を設立しました。
キャッシュレス推進協議会の目的は、活動を通じて早期にキャッシュレス社会が実現することです。
出典:一般社団法人キャッシュレス推進協議会「法人概要– ABOUT PAYMENTS JAPAN –」
国がキャッシュレス化を推進する理由として、以下の点が考えられます。
紙幣の印刷や偽札のチェックなど、現金にかかるインフラコストを削減するため
キャッシュレス決済の利用履歴を把握し、脱税をはじめとする不正を防止するため
各企業の現金管理にかかる手間を省き、国内で深刻な人手不足に対応するため
主なキャッシュレス決済の種類や手段は、以下のとおりです。
クレジットカード
デビットカード
電子マネー(プリペイドカード)
スマートフォン決済(QRコード決済など)
また決済のタイミングによって、キャッシュレス決済を以下のように分類できます。
前払い
即時払い
後払い
商品購入やサービス利用後に請求されるクレジットカードは後払い、銀行口座から即座に支払われるデビットカードは即時払いです。
電子マネーは、事前にチャージしてから支払うため前払いに分類されます。スマートフォン決済は、利用する決済アプリによって異なるものです。
キャッシュレス決済の種類や特徴について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
2010年時点で13.2%だった日本のキャッシュレス決済比率は、毎年増加を続けて2021年には32.5%まで伸びました。
出典:経済産業省「2021年のキャッシュレス決済比率を算出しました」
キャッシュレス決済の導入が今後も進んでいけば、消費者にも事業者や店にもさまざまなメリットが期待できるでしょう。消費者にはポイントを獲得できる点やレジでスムーズに支払える点など、事業者には顧客管理がしやすくなる点や業務効率化が図れる点などがメリットとして挙げられるでしょう。
ここから消費者側、事業者側それぞれのメリットを詳しく解説していきます。
消費者にとってのメリット
消費者側の主なメリットは、以下3点です。
ポイントを獲得できる
会計がスムーズになる
現金の持ち歩きが不要で便利になる
店を限定せず、キャッシュレス決済を利用できるほとんどの店でポイントを貯められます。また、財布から現金を出す手間やお釣りを受け取る手間もかかりません。さらに、高額の買い物をする際も現金を持ち歩く必要がないため安心です。
事業者や店にもたらす3つのメリット
2021年に経済産業省が実施したアンケートでは、回答事業者のうち既にキャッシュレスを導入している割合が約7割でした。
出典:経済産業省「キャッシュレス決済 実態調査アンケート集計結果」
キャッシュレス導入は、事業者や店にさまざまなメリットをもたらします。主なメリットは以下の3点です。
顧客管理がしやすくなる
業務効率化を図れる
感染症対策になる
事業者や店の各メリットを確認していきましょう。
1. 顧客管理がしやすくなる
顧客の属性や購入履歴などの多様な顧客データを管理する「顧客管理」は、新規顧客へのアプローチや既存顧客の来店頻度、満足度を上げるために重要な施策です。キャッシュレス決済を導入すれば、顧客の平均購入単価やどの層にどのような商品が人気かを確認できるため、顧客管理がしやすくなります。
キャッシュレス決済をきっかけに集めた情報を分析してマーケティング施策にいかせば、客単価アップや集客にもつなげられるでしょう。
2. 業務効率化を図れる
キャッシュレスを導入すれば顧客との現金受け渡し作業がなくなるため、従業員にかかる負担を軽減できます。レジ決済にかかる時間を短縮することで別業務にあてる時間が生まれ、店舗全体の業務効率化を図れるでしょう。
キャッシュレスで決済がスムーズになれば、顧客を待たせる時間が減ります。さらに、決済時の現金数え間違いによる顧客とのトラブルを未然に防げる点もメリットです。
結果的に、キャッシュレス決済導入が顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
3. 感染症対策になる
新型コロナウイルスの流行に伴い、各事業者や店舗に対しても感染症対策が求められるようになりました。キャッシュレス決済の導入は、感染症防止の対策としても有効です。
例えば、スマートフォンをかざすだけの非接触型(コンタクトレス)キャッシュレス決済であれば、従業員と顧客が一定の距離を保ち、対面時間も短縮できます。従業員だけではなく、顧客も安心して利用できることから、集客につながる点もメリットです。
キャッシュレス決済比率に増加の傾向が見受けられるものの、世界の主要各国が既に40〜60%台であることを踏まえると日本の30%台はまだ低い数字です。
さまざまなメリットが期待できる一方で、いくつかデメリットもあることが世界と比較して日本でキャッシュレス化が遅れている要因でしょう。消費者側にとっては、不正利用に注意が必要な点や、すべての店で利用できるわけではない点、事業者側にとっては導入にコストがかかる点や、入金までに時間がかかる点などがデメリットです。
消費者側と事業者側のデメリットをそれぞれ詳しく解説していきます。
消費者にとってのデメリット
キャッシュレス決済による消費者側の主なデメリットは、以下の3点です。
不正利用に注意が必要
デジタル機器に不慣れな人は使いにくい
すべての店で利用できるわけではない
自身の知らないうちにキャッシュレス決済を利用されるケースがあるため、身に覚えのない支払いがないかどうか、明細をこまめにチェックする必要があります。特にスマートフォン決済は、デジタル機器に不慣れな人には使いにくい点がデメリットといえますが、明細の見方くらいは確実に覚えるようにしましょう。
さらに、自分がメインで利用しているキャッシュレス決済手段が、訪れたお店では対応していないケースもあります。
事業者や店にとっての3つのデメリット
キャッシュレス導入が事業者や店にデメリットをもたらすこともあります。主なデメリットは、以下の3つです。
導入にコストがかかる
決済手数料が発生する
入金までに時間がかかることがある
あらかじめデメリットを理解しておけば、導入時にどのキャッシュレス決済を選ぶかを判断しやすくなります。各デメリットを確認していきましょう。
1. 導入にコストがかかる
キャッシュレス決済の導入には、専用端末を用意しなければならないケースも少なくありません。そのため、専用端末の導入費用や登録料などの初期費用がかかる点がデメリットです。
ただし、導入コストは決済事業者や決済手段によっても異なります。例えば、店に掲載しているQRコードを利用者にスマートフォンで読み取ってもらう決済(QRコード決済)であれば、導入費用がかからないことが一般的です。
2. 決済手数料が発生する
キャッシュレス決済には、導入コストだけでなく決済手数料も発生する点がデメリットです。決済手数料とは、決済金額に応じて発生する費用で、決済金額の数%を決済事業者に対して支払います。
例えば、5万円の決済金額で決済手数料率が3%であれば、支払う金額は1,500円です。
なお、手数料率は事業者の業種や取扱高によっても異なります。
3. 入金までに時間がかかることがある
現金決済の場合、商品の代金が販売後すぐに手元に入ります。一方のキャッシュレス決済では、決済から口座に入金されるまでに一定の日数がかかる点がデメリットです。
入金まで数ヶ月かかるケースもあるため、資金繰りに影響を与えることもあります。導入にあたり、入金サイクルを比較することや手元資金を潤沢にしておくことがポイントです。
なお、キャッシュレス推進協議会では中小店舗向けに決済手数料やサービス内容一覧を公表しており、入金サイクルも確認できます。
キャッシュレス決済の手段は、クレジットカードやスマートフォン、電子マネーなどさまざまです。また、キャッシュレス決済を提供している企業の数も少なくありません。
数ある中から、自店にメリットのあるキャッシュレス決済を選ぶために、以下の点に注目するようにしましょう。
決済方法やコストをチェックする
客層や業種にあわせて選ぶ
決済方法やコストをチェックする
決済方法や各種コストを事前に比較しておきましょう。どの決済手段にするかに迷う場合は、特にキャッシュレス決済比率に占める割合が高いクレジットカード(2019年時点、24.0%)から始めるという方法もあります。
出典:経済産業省「第一回の議論の振り返り、日本のキャッシュレス決済比率、決済事業者及び国の開示の在り方について」
導入コストがキャッシュレス決済導入の障壁になっている場合は、QRコード決済など初期費用がかからない手段から検討してみましょう。
客層や業種にあわせて選ぶ
客層にあわせて決済方法を選択することも重要です。例えば、年齢層が高ければスマートフォン以外の決済方法も検討するとよいでしょう。
また、業種や店の規模によって選び方を変えることも必要です。例えば、ファストフードであれば手軽なスマートフォン決済や電子マネー決済、客単価が高い飲食店であればクレジットカードの優先順位が高くなるでしょう。
なお、飲食店におけるキャッシュレス導入については、以下の記事も参考にしてください。
キャッシュレス化が飲食店で進展中!導入メリットを詳しく解説
キャッシュレス導入は消費者だけではなく、飲食店にも業務効率化や感染症対策といったメリットをもたらします。導入時にかかるコストが気になるのならば、初期費用のかからないサービスを選ぶことをおすすめします。
「コンタクトレス決済」を詳しく知りたい方は、お問合せ下さい
TableCheck Author
---
TableCheckでお店の予約顧客管理に革新を。まずはお気軽にご相談ください。